コラム

はじめて聖書を読む方にオススメしたい「旧約聖書入門」

こんにちは!突然ですが、人類が誇るロングセラーにしてベストセラー・聖書を読んでみたい、と思ったことはありませんか?

しかし、聖書をいざ読んでみるとチンプンカンプンな箇所が多すぎますよね

  • 登場人物多すぎ
  • 話の意味がつかめない
  • 厚すぎて挫折しそう

聖書を読んでみようと思ったものの、このような理由で諦めてしまったことはありませんでしょうか。

私はノアの箱舟あたりで挫折した覚えがあります。

今回はそんな人に是非ともおすすめしたい本、三浦綾子の「旧約聖書入門」(1984年)についての話です。

この本はもともとキリスト教信者ではなかった著者によって書かれているため、聖書と馴染み浅い入門者の立場に寄り添った解説が特徴。

文化・時代背景が分かりにくいあの旧約聖書を、日常の例え話を持ち出すなどして分かりやすく伝えているため、読んでて全然飽きませんよ!

 

created by Rinker
光文社文庫
¥605
(2019/09/18 03:20:03時点 Amazon調べ-詳細)

 

三浦綾子「旧約聖書入門」(1984年)の概要

まずは本書の全体図と、著者について紹介してみたいと思います。

この本は全298ページ、16章立てです。

  • 一 天地創造
  • 二 アダムとイブ
  • 三 カインとアベル
  • 四 ノアの箱舟
  • 五 バベルの塔
  • 六 ロトとその娘たち
  • 七 アブラハムの信仰
  • 八 ヨセフの物語
  • 九 律法・十戒
  • 十 怪力サムソン
  • 十一 美しき物語ルツ記
  • 十二 苦難の書ヨブ記
  • 十三 詩篇とダビデ王の功罪
  • 十四 箴言
  • 十五 預言
  • 十六 断章

本書では旧約聖書の内容を一から十まで網羅しているわけではなく「初心者でも取っつきやすい章」のみに絞って解説されています。

特に冒頭のアダムとイブノアの箱舟の話は聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

とはいえ「聖書を自力で読もう」と思うと、なかなか話の流れが掴みにくい所も多く難しいですよね。

著者の三浦綾子自身、聖書について

「とはいえ、教典は教典である。

どうしても自分一人ではわからないところがある。

また、興味本位に読みすごすだけでは、何にもならない」

(三浦綾子『旧約聖書入門』Kindleの位置40-41)

と説明しており、聖書を読む上での解説書の重要性を訴えています。

このことからも、やはり文化・時代背景が私たちの世界と大きく異なる聖書を読み解くにあたり、解説書を持っておくに越したことないと言えるのではないでしょうか。

「入門者に寄り添った解説」が分かりやすい

本書がおすすめな理由として触れておきたいのは、著者自身も元々クリスチャンではなかったということ。

「わたし自身、聖書を読みはじめたころ、大きな誤解をもっていた。

旧約聖書とは、現代の協会ではすでに使われなくなった古い経典のことかと、大まじめに思っていたのである。」

(三浦綾子「旧約聖書入門」、Kindleの位置25-27)

著者も元々は私たちと同じ、入門者側の立場だったということです。

そのためか、まえがきには「入門者にも親しみやすい手引書を書こう」という本書を書くにあたっての指針が示されていました。

「前述のとおり、わたし自身の経験を考えても、それが痛感されるので、

わたしは親しみやすい手引書を書こうと思い立った。」

(三浦綾子「旧約聖書入門」、Kindleの位置25-27)

つまり、著者は私たち入門者が持つ聖書の理解度を踏まえた上で執筆していたことが分かりますね。

だからこそ、これまで「聖書を読んでみたはいいけどつまらなかった、諦めてしまった」という方にこそ、この本はおすすめ。

また、「聖書に興味はないけど、人間とは何かよく考える」という方もきっと読んでみると楽しいことでしょう!

おすすめな人
  • 聖書を開いたことはあるが、文化・時代背景がいまいち掴めなかった方
  • 聖書に興味をお持ちの方

著者について

ところでこの本を書いた三浦綾子とは、どんな人物だったのでしょう。

三浦綾子とは、1922年に生まれ1999年に亡くなった北海道・旭川市出身の作家です。

17歳より小学校教師として働き、戦後に退職。

その後結核に罹り13年もの闘病生活を送った、という経歴です。

前述の通り著者はもとからクリスチャンだったわけではなく、闘病中に出会った人物の影響でキリスト教を知り、1952年に洗礼を受けました。

恋人でもあったその人物と、キリスト教の出会いに関するエピソードはたびたびこの「旧約聖書入門」「新約聖書入門」でも触れられており、自伝「道ありき」ではさらに詳しく書かれています。

この他に三浦綾子が残した作品には、原罪をテーマにした長編小説「氷点」などがあります。

 

created by Rinker
角川文庫
¥691
(2019/09/18 03:20:03時点 Amazon調べ-詳細)

 

「旧約聖書入門」読んでみての感想

まず本書では、旧約聖書からの抜粋箇所についての解説がされており、全16章で収められています。

旧約聖書のすべてが解説されているわけではないものの、1冊読めば旧約聖書の重要な話が把握できるわけなんですね。

私自身この本を読んでいて、ありがたいなと思った特徴は2つあります。

聖書の問題提起が「日常レベルの話」に落とし込まれている

聖書を解説するにあたって、著者とその周囲の人々とのエピソードや、当時の時事ネタ、私たちの日常でも見かける「あるある」的なシーンが例に用いられているため、実際に読んでみて「これはキリスト教に興味のない人でも楽に読めるな」と感じました。

例えば、「五 バベルの塔」。

旧約聖書のこの箇所を一言でまとめてしまうと、天に届くくらい高い塔の建築企画が頓挫する話なんですけども、著者はこの箇所の解説で東京・大阪など日本の大都市の姿について触れています。

 

「東京や大阪に行くと、わたしは大都会の姿に、やはり一つの間のぬけたものを感ずる。

いつか、何かに書いたことがあるが、なぜ、人間はあんなに無理に一つ所に集まるのだろう。

そして、太陽の光を浴びる権利や、黒土の上を歩く権利を奪われても、文句も言わず土の中の地下鉄や、道の上につくられた高速道路を走りまわっている。

これが本当の知恵の姿だとは、とても思えない。」

(三浦綾子『旧約聖書入門』、Kindleの位置957-960)

このように、聖書で説かれている内容を日常的な疑問と関連づけて説明しているので、まったく予備知識のない聖書入門者にとっても各章のテーマが非常に頭に入ってきやすいのです。

 

聖書の登場人物の関係や、各話の背景解説が丁寧

また読んでいて一番ためになった部分は、聖書の登場人物の関係や各話の背景が記されていること。

解説書なので当然といえば当然ですが、やっぱりこれは有難いことです。

例えばルツ記。

「さばきづかさが世を治めているころ」(ルツ記1:1)という一文から始まるこの話ですが、こんなこと言われても「まずいつだよソレ」って感じですよね。

他にも聖書では、「ユダのベツレヘム」やら「モアブ」やら日本人に馴染みのない地名が現れたり、兄弟関係なども登場人物の名前も多く、出だしは気をつけて読んだつもりでも、誰が長男で誰が次男だったかなど訳がわからなくなってしまったりします。

それを本書では各話ごとに背景を整理してくれるので、物語の大筋がスッと頭に入ってくるんですよね。

ベストセラー小説「氷点」を書いた作家が解説している本なので、旧約聖書という難しい本が題材であるにも関わらず、まるで一つのドラマを聞かされているかのようにスルスル読めてしまいます。

 

created by Rinker
光文社文庫
¥605
(2019/09/18 03:20:03時点 Amazon調べ-詳細)

 

まとめ

今回は、普段の三浦綾子の「旧約聖書入門」についてでした。

私はクリスチャンではありませんが、聖書を手に取るに至ったのは大学生のときに留学していた国・フランスと縁の深い宗教の事情について知っておきたかったからです。

しかし聖書を読んでみたものの、内容がよく分からなすぎて挫折。

そんな中本書を見つけ、開いてみたところ面白すぎて2日で読了しちゃいました。

聖書の前知識がゼロでも楽しく読めるようになっているので、今こちらを訪ねてくださった「聖書を読んだけど挫折した」「飽きてしまった」という人にこそぜひ読んでもらいたい一冊です。

 

created by Rinker
光文社文庫
¥605
(2019/09/18 03:20:03時点 Amazon調べ-詳細)

 

ABOUT ME
佐藤ユカ
立教大学19年卒(異文化コミュニケーション)。 副専攻にフランス語。 ベルギーの大学院に受かったけど資金準備が間に合わず、今は派遣社員とブロガーやっています。 内容は大学生~20代の仕事・恋愛・コミュニケーション全般について。 趣味は酒とダイエットです。