コラム

静かな日本人が怒る場所は「張り紙」か

こんにちは、佐藤ユカ(@TOEFLJessica)です。

先日インターン先で、同僚に「日本人は怒ったときに何と言うか?」聞かれました。

「日本人は怒ったときに何と言うか?」と聞かれた私たち。

そのとき出た答えは『掘るぞ』と言うよ!」。

(大嘘だけどね)

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「日本人は怒ったときに何と言うか?」

 

こう聞かれると、ちょっと難しいですよね。

考えてみると、日本語にも一応「クソが」「ウザい」など暴言は存在するものの、普通の成人がこんな語彙で怒っている姿を見たことがありません。

そもそも、改めて考えてみると日本人の「怒りの表し方」「怒り方」って説明しにくいですよね。

(そういえば最近怒ってる人見ないな)

質問してきた同僚はブラジル出身だったのですが、彼らラテン文化圏の人と比べると日本人はだいぶテンションが安定しています。

では比較的おとなしいと言われる私たちが怒るとき、どのように怒っているのでしょう?

酔っ払った人がたまに「クソが!!」と怒鳴っているシーンは見かけますが、普通の人たちはどのように怒りを表現しているのか?

 

前々から外国の人に「日本人ってどうやって怒るの?」と聞かれるたび、割と回答に困っていたのですが…

この1ヶ月間で、あることに気づきました。

 

日本人はもしかして、「張り紙」で怒ってるのでは…?と。

 

今回のコラムでは日本人の怒りが観察できる、道端の「張り紙」について考えを巡らせたいと思います。

怒りがにじみ出る張り紙

日本人はもしかして、「張り紙」で怒ってるのではないか。

こう感じたのは、近所を歩いているときに見たものがきっかけでした。

 

私が住んでいる場所は東京都の郊外。

駅から自宅まで5分ほど歩くたび、このような張り紙を目にします。

 

・荷物どかして

ここに荷物置いた人誰ですか(怒)撤去して下さい!

 

・テレビ台どかして

ここは私有地です。このテレビ台を置いていった方は大至急どかしてください。(💢)

 

・自転車盗まれた

XX月XX日、ここに置いてあった自転車を盗んだ人。

防犯カメラで身元割り出してます

「人の気持ち」を考えて!!

(ここでは実際の張り紙を基に、やや内容を変えながら再現しています)

 

などなど…

このように、文面〜レイアウトの端々に怒りが溢れているような紙を見る機会が多いです。

 

(うわっ、めっちゃ怒ってる…!)

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こういう張り紙を見かけるたび「うわぁすごい怒ってるなー」と思いつつ通り過ぎていたのですが、先日気づいたんですよね。

「声を荒げて怒る人を見る機会より、張り紙で怒っている人の方が多いかもね」

そう、日本人は「張り紙で怒ってることが多いのかも?」と考えるようになりました。

 

日本人がどう怒ってるか?という点について実証的な答えを出すことはできませんが、考え始めるとこの「張り紙で怒りを表す」行為はけっこう日本独特で面白いのではないかと思います。

 

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例えば昔留学していたフランス・カナダに限って言うと、このように”怒れる張り紙”を見たことがありません。

一度ホストマザーが「昨晩、家のドア鍵があきっぱなしでしたよ。朝からしょんぼりです」とホワイトボードに注意を残していたことがありましたが、

ここは私有地です。このテレビ台を置いていった方は大至急どかしてください(💢)

少なくともこのように文面全体が「怒ってるぞ!」と訴えかけてくるような、手の込んだ置き書き〜張り紙を見たことはありません。

 

しかもこれ、よく見てみるとレイアウトがけっこう丁寧ですよね。

張り紙でご丁寧に怒る…これってある意味日本人らしい、静かな怒り方なのかも…?(笑)

 

実家でも目撃

さらに、私の母も家の中で張り紙を用いて(ちょっと)怒っていました。

2018年12月30日、帰省したときに実家内で目撃したのはこちら3点です。

 

・洗面所へ続くドアに貼られた紙

「開閉音がうるさいので 夜間このドアは閉鎖します.」

 

・インターホン

「知らない人が来たら ぜったいに でないこと!」

 

・トイレ

「出る前に汚れをかくにん.きれいにしてから出て」

 

家の至るところに張り紙があるではありませんか(笑)

怒りが感じられるかどうかというと微妙ですが、インターホンに貼られた紙の「知らない人が来たら ぜったいに でないこと!」

特にこれのアンダーラインとエクスクラメーションマークの使い方からは、母のだいぶ頭にきてる情景が思い浮かびます。

 

なお、以前母は

👩: 最近お父さんと話すと体力消耗するから話してない

なんて言ってましたが、張り紙を使ってコミュニケーションすることでエネルギー節約を図っていたのかもしれません。

 

「張り紙で注意」法律違反にあたる場合も…

近所の張り紙を見て、「声を荒げて怒る人を見る機会より、張り紙で怒っている人の方が多いかも」と考えた私。

心の中で「日本人は張り紙で怒ることが多い」という結論に至ったわけですが、その後張り紙について調べてみた所、張り紙での注意はどうやら法律違反にあたる場合もあるようです。

 

参照したのは『弁護士ドットコムニュース』による2018年6月の記事(「『性行為の声うるさい』目立つように『郵便受け』に張り紙…法律違反にあたる?」)。

張り紙をする行為は、軽犯罪法違反にあたる」可能性があると記されています。

ここで取り上げられているのは、個人を特定できたり、プライバシー・名誉を毀損してしまうような貼り方について。

「何合室の方へ」とか「〜番地の方へ」といった、名指しのような形ですね。

このような張り紙をつけてしまうと、名誉毀損罪や、各都道府県の迷惑防止条例違反にあたる可能性もあり、プライバシーを侵害をしたとして逆に損害賠償請求される場合もある、とのことでした。

まぁ当然ながら、何でもかんでも張り紙で主張できるということではないんですよね。

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とはいえ冒頭で例に挙げたように、何者かが私有地にゴミ箱を置いていってしまった、とか知らない人に自転車盗まれた場合。

こんなときって、もう張り紙に怒りを訴えるしかない気持ちがわかる気がします。

 

まとめ

今回は「日本人が怒れる場所って『張り紙』なのでは?」という話でした。

「日本人はどうやって怒るの?」

こう海外の人に聞かれると、けっこう困っていたこの質問。

「うーん、別にあからさまに怒ることとか、ないかな?」とか茶を濁した回答ばかりしていたのですが、今度は「張り紙で怒ってるかもね?」と回答してみようかなと思います。

みなさんは「日本人はどうやって怒るの?」と聞かれたら、どう答えますか?

 

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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参考ページ

・N.A.、2018年6月、「『性行為の声うるさい』目立つように『郵便受け』に張り紙…法律違反にあたる?」、『弁護士ドットコムニュース』、2018年12月31日アクセス。

ABOUT ME
佐藤ユカ
立教大学卒業・今年9月からベルギーに留学予定の23歳。 遺伝子検査キットのレビュー・SNSアプリ情報を中心に投稿しています