ワインエキスパート資格

アルザス・ロレーヌ地方のA.O.C.ワインまとめ

アルザス・ロレーヌ地方の代表的なA.O.C.は「Alsace(アルザス)またはVin d’Alsace(ヴァン・ダルザス)」「Alsace Grand Cru(アルザス・グラン・クリュ)」「Crémant d’Alsace(クレマン・ダルザス)」の3つです。

本記事では、ワインエキスパート資格に向けた覚書も兼ねて「2020年日本ソムリエ協会教本 J.S.A.ソムリエ J.S.A.ワインエキスパート」の内容を参考に、アルザス・ロレーヌ地方の代表的なA.O.C.ワインをご紹介します。

Alsace(アルザス)またはVin d’Alsace(ヴァン・ダルザス)

Alsace(アルザス)/Vin d’Alsace(ヴァン・ダルザス)は、アルザスの地域をほぼ全て包括するA.O.C.です。色は白、赤、ロゼです。

ただし、アルザス地方で作られるワインの9割以上が白のため、赤・ロゼのアルザスワインはかなり珍しいと言えるでしょう。

ブドウ品種について

Alsace(アルザス)/Vin d’Alsace(ヴァン・ダルザス)のA.O.C.ワインに使われるブドウ品種は以下の7種類です。

  1. リースリング(Riesling)
  2. ゲヴェルツトラミネール(Gewurztraminer)
  3. ミュスカ(Muscat)
  4. ピノ・グリ(Pinot Gris)
  5. ピノ・ブラン(Pinot Blanc)
  6. シルヴァネール(Sylvaner)
  7. シャスラ(Chasselas)
  8. オーセロワ(Auxerrois)
  9. ピノ・ノワール(Pinot Noir)

出典:VINS ALSACE|AOC ALSACE

太字で記した品種は後の項目「表記について:混醸・アッサンブラージュ」などでひんぱんに登場するブドウ品種で、「高貴品種」とも呼ばれています。

表記について:小区画名(lieu-dit)

条件を満たしたワインは、アルザス/ヴァン・ダルザスのA.O.C.名に加えて「lieu-dit(リュー・ディ=小区画の名前※)を表記できます。

それぞれの区画におけるワインの品質を証明し、テロワールが持つ味を保証するため、「lieu-dit」にはアルザス/ヴァン・ダルザスのA.O.C.より厳しい規定が設けられています。

※lieuはフランス語で「場所」、ditは動詞「dire(=言う、報じる、示す)」の過去形。「lieu-dit」で、畑や町などにある小さい区画のことを意味する。

表記について:ブレンド・混醸(エーデルツヴィッカーとジャンティ)

複数の白品種をアッサンブラージュ(=ブレンド、調合)、または混醸したワインには「Edelzwicker(エーデルツヴィッカー)」と記すことができます。

もう一つ、アッサンブラージュに関するもので「Gentil(ジャンティ)」という表記がありますが、こちらにはエーデルツヴィッケールより細かい条件が設けられています。

一つ目の条件がブドウの品種で、ジャンティと表記するには「高貴品種」と呼ばれる下記のブドウ品種を50%以上使う必要があります。

  1. リースリング(Riesling)
  2. ゲヴェルツトラミネール(Gewurztraminer)
  3. ミュスカ(Muscat)
  4. ピノ・グリ(Pinot Gris)

二つ目の条件は醸造に関するものです。別々のブドウ品種を混醸※できるエーデルツヴィッカーとは異なり、ジャンティを名乗る場合はそれぞれのブドウ品種を別々に発酵させる必要があります。

他にもヴィンテージ記載の義務や、テイスティングを経てA.O.C.から承認を得る必要があるなど、ジャンティを名乗るには様々な条件をクリアする必要があります

※混醸…複数のブドウ品種を一つの醸造タンクに入れて醗酵させること

表記について:甘口ワイン(VTとSGN)

条件を満たした甘口ワインにのみ、「ヴァンダンジュ・タルディブ(Vendange Tardive)」または「セレクシオン・グラン・ノーブル(Sélection de Grains Nobles)」と表記できます。

その条件には、ブドウ品種・収穫方法・熟成時期・ブドウの果汁糖度が含まれています。

  • ブドウ品種:前項で紹介の「高貴品種」
  • 収穫方法:手摘み
  • 熟成期間:収穫翌年の6月1日まで
  • 果汁糖度:ゲヴェルツトラミネールとピノ・グリ→270g/l(VT)、306g/l(SGN)、ミュスカとリースリング→244g/l(VT)、276g/l(SGN)

熟成期間について、アルザスのワイン・観光情報サイト「GUIDE TO ALSACE WINES」によると、アルザスの収穫時期は9月初旬〜11月初旬までのため、合計で18ヶ月程度熟成させるという計算になりそうです。

余談ですが、ヴァンダンジュ・タルディブのワインはタルト・タタンやフォワグラにあわせて飲まれることが多いようです。美味しそうですね。

Alsace Grand Cru(アルザス・グラン・クリュ)

Alsace Grand Cru(アルザス・グラン・クリュ)は、アルザスに現在51あるグラン・クリュで栽培されたブドウからなるワインです。色は白のみです。

栽培場所のほか、ブドウ品種や収穫方法などについても規定が設けられています。

  • 栽培場所:グラン・クリュに認められた畑
  • ブドウ品種:前項で紹介の「高貴品種」※例外あり
  • 収穫方法:すべて手摘み

また、甘口ワインで条件を満たす場合、「VT」「SGN」の表記も可能です。

※使用できるブドウ品種について、「Altenberg de Bergheim」「Zotzenberg」「Kaefferkopf」のグラン・クリュについては例外が適用されます。

Crémant d’Alsace(クレマン・ダルザス)

Crémant d’Alsace(クレマン・ダルザス)はフランスで最も消費されている発泡性ワインで、色は白とロゼの2種類です。

こちらにもブドウ品種や収穫方法など、さまざまな条件が設けられています。

  • ブドウ品種(白):リースリング、ピノ・グリ、ピノ・ブラン、オーセロワ、シャルドネ
  • ブドウ品種(ロゼ):ピノ・ノワール
  • 収穫方法:手摘み
  • 製造方法:瓶内二次発酵(A.O.C.シャンパーニュと同じ)
  • 瓶詰め時期:収穫翌年の1月1日(A.O.C.シャンパーニュと同じ)
  • 滓との接触期間:最低9ヶ月(A.O.C.シャンパーニュより3ヶ月少ない)
  • ガス圧:20度で4気圧以上

ガス圧について、他のスパークリングワインではどのくらいの気圧が一般的なのか、「ASAHI WINE.com」で調べてみたところ、瓶内二次発酵では「5-5.5気圧」、密閉耐圧タンクで二次発酵させるシャルマ方式で「3-4.5気圧」程度でした。

こうして見ると、瓶内二次発酵で作られるクレマン・ダルザスの泡は比較的やわらかな部類に入るのかもしれませんね。

<参考>

日本ソムリエ協会:2020年日本ソムリエ協会教本 J.S.A.ソムリエ J.S.A.ワインエキスパート(P336-P341, P334-P335, P26-P27)

VINS ALSACE:AOC ALSACE

ワインの教科書:リューディ(LIEUX-DITS)とは?

VIN ALSACE:Gentil d’Alsace

VIN ALSACE:VENDANGES TARDIVES

GUIDE TO ALSACE WINES:Harvest in Alsace

アサヒワインコム:基礎知識(スパークリングワイン)

ABOUT ME
佐藤ユカ
Webライティングとアフィリエイトサイト、外国語が好きな24歳です。 ウェブライター(インターン)1年→副業ライター/ブログ運営(2年〜現在)→大学卒業→中小企業勤め 得意な記事ジャンルは海外文化、観光、英語・フランス語、クラウドサービスの機能解説です。現在ワインエキスパート資格に向けて勉強中です。