「4℃(ヨンドシー)」とは、日本のジュエリーブランドです。4℃について50代後半の親戚に話を聞いてみると、昔はみんな4℃を持っていた!というほどの人気があったそう。
ところが最近、主にSNSなどで若者世代の「4℃はダサい」という意見を聞きます。
一見、4℃はティファニーやスワロフスキーなど、他のジュエリーブランドと大差がないようにも見えますが…
なぜ、4℃には「ダサい」という評判がついているのでしょうか?
今回はインターネット上や大学などで度々耳にする、この「4°Cダサい説」について考えてみたいと思います。
至る所で見られる「4℃ダサい説」
「4°Cダサい説」がいつ、どこから生まれたのかは分かりません。
しかし、インターネット上や現実で耳にする女性の会話を聞いていると、どうやら「4°C=微妙なブランド」という共通認識ができていることは確かなようです。
Google検索候補
例えば4°C(よんどしー)とGoogle検索ボックスに打ち込むと、
- 4°C 別れる
- 4°C いらない
- 4°C プレゼント 嬉しくない
こんな関連キーワードが表示されます。
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メルカリでも
またクリスマスの夜、「フリマアプリ『メルカリ』に4℃のアクセサリーが大量出品されていた」という事例も話題になりました。
恐らく、恋人などから貰った4℃を即日転売している女性が多いという事でしょうね。
- netgeek、2015年12月、「クリスマスに女性に贈られた人気ブランドが翌日大量転売されていたことが判明し大炎上」、2019年8月22日アクセス。
大学でも
そういえば、大学でクリスマスプレゼントの話になったときも
このようにビミョ〜な反応が多かったです。
しかしなぜ、4°Cは評判がいまいちなのでしょう。
その前に、そもそも4°Cとはどんなブランドなのでしょうか。
4°Cとは
(出典:4℃公式サイト)
4°Cは、エフ・ディ・シィ・プロダクツにより展開されているジュエリーブランド。
親会社は1950年から織物・アパレル関係の事業に携わってきた、「アスティ株式会社」です。
4°Cは1972年に誕生し、1~2万円台から10万円台と幅広い価格帯のジュエリーを取り揃えています。
ブランド名の由来は、「氷が張った水の底の温度」。
4℃の水は魚が生息できる安息の場という意味から、ブランドの名前は「うるおいそのもの」を象徴しているそう。
ブランドの特徴
主力商品は1~2万円のジュエリーで、お手軽に装飾品を楽しみたい女性層の人気が強いんだとか。
男性から女性へのプレゼントにも定番のブランドとしても認知されており、現在は
- ブライダル商品を専門に扱う「4℃ BRIDAL」
- 3万円~6万円代のジュエリーを扱う「EAU DOUCE 4℃」
など、ハイゾーンのラインも展開しています。
- ZUU online(2016年10月)、「ジュエリーブランド『4℃』が過去最高益のワケ」、2019年8月23日アクセス。
デザイン
4℃のデザインは「女性の魅力を引き出す、しなやかな曲線美」がテーマ。
この4つのデザインを中心に取り扱っているようです。
「4℃しずく」はブランド名の由来である、水のしずくをモチーフにしたデザイン。
「4℃ハート」はオープンハートのデザイン。
「4℃ダブルループ」は輪が2重にかかったデザインですね。
「アクアニティ」は、指輪用デザインのようです。
うーん。
オンラインストアを覗いてみると、確かにちょっと「80~90年代感」を感じさせるオープンハートのデザインは多いような。
ただ全体的なデザインは普通というか、そこまで「ダサい」と言われるような物ばかりではないと思います。
- 【4℃ジュエリー】4℃の約束|デザイン|4℃、2019年8月23日アクセス。
「ダサい説」が広まっているのはなぜ?
それでもネット上では「いらない」「嬉しくない」と検索され、クリスマス直後にメルカリ出品されてしまうのは何故なのか。
どうして、「4°Cダサい説」は普及してしまったのでしょうか。理由を考えてみました。
一昔前の印象があるから
4°Cは1970年代に誕生したブランドです。
ジュエリーブランドとしては比較的若く、カルティエやミキモトなど1800年代から創業しているような「老舗ブランド」とは少し異なるブランドイメージを持っている人が多いのかもしれません。
また、特にバブル時代に20代を過ごした今の40~50代女性に愛用者が多かったことから、「4°C=一昔前」というイメージが定着しているのではないでしょうか。
バブルっぽいデザインがあるから
他のインターネットサイトやSNS上の評判を見てみると、4℃には「オープンハートが多い」という点も指摘されているようでした。
オープンハートとは、80~90年代のバブル時期に流行ったデザインで、アメリカのブランド「Tiffany&Co.(ティファニー)」の看板商品でもありました。
(出典:エルサ・ペレッティ オープン ハート ペンダント スターリングシルバー | Tiffany & Co.)
今では各ブランドで定番ラインナップとして取り扱われていますが、あまりにも当時の人気が強かったためか、今も「オープンハート=バブル世代」のというイメージが色濃いようです。
また当時から「オープンハートはティファニーの商品」という認識があったため、オープンハートのブームに乗って類似商品を取り扱い始めたブランドに対し「ティファニーの二番煎じ」という印象も付いていると考えられます。
4°Cは様々なデザインのものを扱っていますが、オープンハートは主力商品として扱われています。
そのせいか、多くの人に「4°Cはオープンハートが多く、現代っぽくない」という認識を持たれているのかもしれません。
- NAVERまとめ、2014年、「いまどきティファニーのオープンハートをプレゼントするのってダサいの?【ツイッター騒然】」、2019年8月23日アクセス。
価格帯が広いから
また、4°Cもう一つの特徴として、商品の価格帯が広いことが挙げられます。
安いもので1万円台、高いものだと10万円台など。
そのため高所得者だけではなく、大学生など若い層にも親しまれるブランドとして知られています。
ただこうした手の届きやすい価格が魅力である一方、さまざまな社会属性の人に愛されたがため、ブランド名に「大衆的なイメージ」が上乗せされてしまったのかもしれません。
「4°Cを持つことにステータスを感じない」、言い換えると「誰でも持てるブランドなので特別感がない」「大量生産っぽい」ことが「ダサい」と言われる要因なのかもしれません。
普段使いのイメージが強いから
1~2万円台のアクセサリーの支持者層は主に女性。
何でも「洋服のコーディネートなどに合わせてジュエリーも揃えたい」というニーズに沿っているのだとか。
4℃は低価格帯の商品を充実させることで、女性たちの力強い需要に支えられ、景況感に左右されることなく堅調な売り上げで推移している。
そのため、普段から4℃で買い物することの多い女性には
と認識されているのかもしれません。
- ZUU online(2016年10月)、「ジュエリーブランド『4℃』が過去最高益のワケ」、2019年8月23日アクセス。
「とりあえず4°Cでいいか」という選び方が嫌だから
また、「4°Cをもらって嬉しくない」というのは、必ずしも4°Cのブランドイメージやデザインだけの問題ではなく、恋人のプレゼントの選び方に疑問を感じているという場合も考えられます。
4°Cは有名ブランドなだけ、各種雑誌やネット記事など至る所で「プレゼントにおすすめ」と紹介されています。
もしかして、アクセサリー自体に問題はなくても「プレゼントなら4°Cで間違いない」という横並び的なプレゼントチョイスに「ダサさ」を感じているのかもしれません。
みんなが「ダサい」と信じてるから
また、4°Cはみんながダサいダサいと言うから「4°C=ダサいものだ」と刷り込まれている可能性もあります。
実際店舗で手にとって見るとダサくないのに、他の人が「ダサい」と言っているから何となく好きじゃない、何となく避けてしまう、という先入観も「4°Cダサい説」を助長させてしまったのではないでしょうか。
4°Cはプレゼントに向いてるの?
上記の項目では、4℃の商品ラインナップ、そして「ダサい」という評判が出回っている理由を検討してみました。
確かにインターネット上に「4℃はダサい(かもしれない)」という風潮はあるようですが、価値観は人それぞれです。
正直なところ女性どうしでも他人が着けてるアクセサリーなんて滅多に気になりませんし、もらった人が嬉しそうにしていたら良いのではないでしょうか。
結局は受け取る人しだい
GoogleやTwitterの検索候補・メルカリの事例などを参照すると、世間的な反応として、4℃は実際「あまり貰っても嬉しくない」ブランドに分類されているようです。
しかし、Twitter上であるつぶやきに付けられていたリプを読んでいくと、
- プレゼントは気持ち
- 4℃にもお洒落なデザインはあるし、ブランド名だけが全てではない
- 4℃だって高価なものもあるし、名前だけで判断しないでほしい
- 4℃が好きだからこのような先入観が流れていて悲しい
という意見もありました。
結局のところ、4℃は「世間的に見るとダサいという評判が先行しているかもしれないが、喜ばれるか否かはプレゼントを受け取る本人次第」ということでしょう。
もしこれからクリスマス・誕生日プレゼントに4℃を贈る予定がある場合は、念の為
- 相手の好みや価値観を把握しておく
- 共通の友達から彼女が欲しいものの情報を仕入れておく
などしっかり事前リサーチしておくと安心できるのかもしれません。
また、2~3万円程度で購入できるジュエリーブランドなら4℃に限らず他にも色々とあるので、色々なブランドを見てみるのも良いかもしれませんね。
まとめ
今回は「4℃がダサいと言われている理由」についてでした。
実際にオンラインショップで商品を調べてみて、例えばこちらの画像のようなシンプルなジュエリーは素敵だと感じました。
(出典:【4℃ジュエリー】K18ホワイトゴールド ネックレス|4℃)
ただ個人的には、
- オープンハート
- 装飾が多すぎるデザイン
このようなアクセサリーは、ちょっとオシャレとは言いづらいかな〜と思います。
あまりにも可愛すぎるデザインだと人によっては子供っぽいと受け取られるかもしれないので、事前に相手の好み・趣味をリサーチしておいた方が安全ですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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